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ソウルでの二つの感動 やっぱりアクアは素晴らしい  2011.12.12

 
 
 

韓国ソウルへ行ってきました。毎年12月にソウルを訪問するようになって早10年。日本では”近くて遠い国”と言っていた韓国ですが、2002年のサッカーFINAワールド杯の共同開催を契機に日韓関係が劇的に変化しました。そして、この5年間の韓国の変化は目を見張ります。韓流ブームで日本から中年女性が押し寄せたソウル。「冬のソナタ」の舞台となった新観光地。市内中央にある王宮(世界遺産)に近い古街ブッソン。かつては日本人ツアー客が多かったエリアですが、今は中国人ツアー客で賑わっています。中国の富裕層は東京→ソウルへシフトしているようです。この円高ですから止むを得ません。が、気になるのは「東京は危ない」(放射能汚染?)と思っている中国人が案外多いことです。日本側のPR不足にも少し責任があるようですネ。とにかく、ソウルの街は活気があり、中国人観光客で賑わっていました。

韓国でのアイチ認定講座は毎年順調に推移しています。主管するソウル・リハビリセンター(通称リポートセンター)の存在が大きい。12月に開催するアイチ講座はATRI(米国アクアセラピー&リハビリ研究所)の国際認定なので2日間。しかし、それを支えるためのベーシック講座(1日間)が年3回実施している。ベーシック修了者が受講するので皆さんとても上手です。今回、受講者の中に聴覚障害者がいました。彼はチェジュ島にあるリハビリ専門病院に勤務する運動療法士(PT)。同伴した女性が講義内容をすごいスピードでパソコンに打ち込む。それを読む。質問があると手話で女性に伝え、女性が挙手して問う。プールでは隣の方(この男性もPTなのですが…)のアイチの動きを観て行う。今回、受講者の半数がPTだったこともあり、彼の周囲の人々のバックアップがスムーズでした。後で知ったことですが、パソコンの早打ちと手話の女性はボランティアでした。

特に感動したのは実技テスト。例のアイチの音楽で、日本と同様、二班に分けて実技を行ったのですが、聴覚障害のある彼はその光景をジット見ているだけ。全員が終了してから彼の”受験”は始まりました。プールサイドに彼独り立ち、受講者全員が入水。静まり返ったプール。彼のアイチが始まりました。それが素晴らしいアイチでした。これまで経験したことのない感動的な光景でした。自然に涙が溢れてきました。修了式での彼の挨拶(手話で)も感動的でした。彼は「アイチを観た時、これなら私にも教えられると直感しました。ぜひ同じ障害を背負った多くの人々をアイチを介して心身を癒してあげたい」と語ってくれました。

修了式でもう一つ感動的だったことがあります。終了時、受講者だった方(女性)が近づいてきました。そして「NAKABAさんはお元気ですか?」とカタコトの日本語で聞かれました。西森央さんのことだと直ぐに分かりました。聴いてみると、ズーッと前(?)に西森さんのレッスンを受講したことがあり、ショックを受けた。「私もいつかあのようなヒトになりたい」「あのような指導をしたい」と強く思ったのだそうです。その時の感動は今でも忘れないと言う。あのヒト(NAKABAさん)は今どうしてますか…と。西森さんの近況を伝えると彼女は目頭を潤ませながら聞いていました。

帰国後、その時の写真を探してみました。写真参照。何と13年前でした。1998年12月、韓国AEAがソウルで開催した初の本格的なアクア講習会でした。当時、プザンにあった韓国AEAの本拠地をソウルへ移転。その”旗揚げ”的な講習会でした。日本からもエールを贈ることになり、矢野真弓さんと西森央さんが訪韓。国中から沢山の人々が集まりました。講習会は大成功。あの時、プールの中にいたヒトの一人だったのです。あの時の感動を忘れずに、今でもアクア指導に携わっている。韓国も高齢者がプールにくる時代になったのでこれからアイチをシッカリ教えたいとのこと。アクアの素晴らしいさを痛感した韓国ソウルの日々でした。

AD研 今野 純