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セラピープールが日韓格差の一つになるかも…   2012.10.22

九州・福岡の中央、田川にあるディーケア介護施設(株)パワーフィットネス・イーズ(河合利博代表)主催。「フィットネス&セラピー・セミナー」へ行ってきました。立派なセラピープールを完備したフィットネス施設。要介護と介護予防の方々へ提供する水陸双方の様々な運動プログラムを実施しています。このような本格的な施設がこれからの日本には必要なのだと改めて痛感しました。 詳しくは こちらへ…

この施設のオーナーである田中整形外科医院の田中秀武先生とは、実は、10年前、横浜でお会いしています。先生ご夫妻が第22期ハイドロトーン養成コース(2003年10月)を受講されたからです。当時、介護保険法42条の条文改定の中にプール施設での運動療法が含まれるとの憶測があり、各地で病院がセラピープールを建設する機運がありました。田中先生は時代を先取り、プールを建設したのです。が、残念ながら、プールの条文は削除。結果的に小規模なフロア施設があればOKとなったのです。なぜプールが省かれたのか。その理由は未だに不明ですが、設備投資が大きいからとも、設備の有無で運営格差が広がるからとも、言われています。

同時期、隣国韓国でも同様な法律改正があり、日本とは逆な方向へ。つまり、条文の中にプール施設が含まれたのです。その結果、今日、大病院の多くがリハビリ施設としてセラピープールを完備しています。この違いは将来、日韓の理学運動療法の格差が生じる原因の一つになるかも知れません。

日本では、今年、65歳以上の人口が初めて3000万人を突破しました。年々、急速に進行する高齢者社会。これからはこれまでとは異なり、何歳まで生存できたかを示す「寿命」よりも、何歳まで病気せずに元気だったを示す「寿命」の方が大切になる。老化に伴い、メタボやロコモを回避。老後のQOLを高く保つ時間を少しでも長くする。そんな時代が始まろうとしています。要介護も重要ですが、そうならないための介護予防が決め手。どうすれば良いのか。この課題にプール施設が果す役割は何か。とても重要になります。パワーフィットネス・イーズの”姿勢”を観て、経営者やスタッフの皆さんの取り組み方は近未来を先取りしている。プールが決め手。そう強く感じました。お世話になりました。

AD研所長 今野 純