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アベノミックス成長戦略の一つ 介護&生活習慣病予防   2013.06.17

新聞記事・イメージアベノミクス捉えるフィットネス大手、介護予防など強化。

介護予防など強化、既存の人材・施設活用で低コスト
 フィットネス大手が運動などを通じて高齢者の健康を維持する介護予防、生活習慣病対策に関連した事業を強化する。
 政府は5日公表した成長戦略の素案で、健康予防・生活支援関連の市場規模を2020年までに9兆円(現状2兆円)に拡大する方針を示した。ルネサンス(2378)、セントラルスポーツ(4801)など大手の営業利益に占める予防介護事業の比率は2~3%にすぎないが、「アベノミクス」の成長戦略を事業機会とみて先手を打つ。
 ルネサンスは14年3月期にリハビリなどを手掛けるデイサービス施設を前期の6倍の12店に増やす。15年3月期までに100店に拡大し、3億円程度の営業利益が出る体制にする。
 セントラルSは地方自治体の運営する介護施設やイベントに派遣するインストラクター(運動指導員)の育成人数を、前期比25%増の1000人に増やす。インストラクターの派遣を含む前期の介護予防事業の営業利益は1億円に満たない程度とみられるが、「16年3月期には2億円程度に伸ばしたい」(相川正男執行役員)という。
 各社の介護予防事業で想定する顧客は、国の介護保険制度で「要介護」から外れ、「要支援」に認定された比較的症状が軽い高齢者や、同制度の対象から外れた「予防事業対象者」。社会保障費圧縮のため、要支援認定を受けている高齢者を保険対象から外す検討が始まるなど、各社は介護予防の需要がさらに高まると判断。フィットネスクラブ事業のノウハウを、高齢者のリハビリなどに活用すれば、専門の介護業者に対しても、十分競争力はあるとみている。
 一方、企業からの需要増にも期待している。生活習慣病対策の一環として企業が法人会員になったり、インストラクターの派遣を求めたりするケースが増えているためだ。セントラルSは法人向けの営業人員を増やし、14年3月期には法人会員を前期比5%増やす計画だ。
 こうした新市場開拓のメリットは、もともと抱えている人材や施設の多重活用が可能な点だ。デイサービス施設も、プールやシャワー室が必要な通常のクラブよりも、低コストで出店できる利点がある。高齢社会が進む中、中長期的には新たな事業の柱に育つ可能性もある。
 ただ野田佳彦前首相が衆院解散を宣言した12年11月14日から今年6月7日までの株価の上昇率は日経平均(49%)に対し、セントラルSが22%、ルネサンスが18%にとどまる。“アベノミクスシフト”が株価上昇に結びつくには時間がかかりそうだ。


◆◆◆2013.6.9 日経ヴェリタス◆◆◆


 新聞記事・イメージフィットネス各社、市民ランナー育成走る、セントラル、ルネサンス。

 フィットネス各社が市民ランナーの育成を強化する。2位のセントラルスポーツは指導員に社内資格の取得を促す。3位のルネサンスはフルマラソンで完走を目指す人を対象に練習会を始める。ランニング人口の増加に伴い、けがをする初心者らが増えている。マシンを導入するだけでなく体に負担の少ない走り方をじっくり指導し、会員の定着率向上につなげる。
 セントラルスポーツはランニング指導の社内資格を新設し、研修を始めた。マラソンに習熟した社員が月に1~2カ所ずつクラブを回り、テーピングの仕方や走る姿勢、走りやすい靴の選び方を指導員に教える。1回の研修の定員は40人。
 体への負担が少ない走り方を身につけるため「きちんとした歩き方を重点的に教える」(セントラルスポーツ)。3年後をめどに全指導員に取得させ会員に専門知識を提供できるようにする。
 ルネサンスは7月から会員向けにフルマラソンで完走するための練習会を開く。アディダスジャパンが提供する指導の資格の認定を受けた社員が講師となり、皇居で開く。月1回開き、月を追うごとに難易度を引き上げて「今秋に開かれる大会で完走してもらうことを目指す」(ルネサンス)。参加費は1回1575円。
 最大手のコナミスポーツ&ライフはこれまで走り方の矯正が中心だったプログラムを改め、長距離を走る技能の指導なども始めた。
 社内資格を持つ従業員が会員のレベルに応じて教える。初級者には靴の選び方などを指導。中・上級者には走る姿勢などを動画で撮影し、これを基に筋力トレーニングやマッサージ方法を指導する。週1回であれば月1万4700円。
 笹川スポーツ財団(東京・港)によると、2012年にジョギングやランニングを年1回以上した成人は推計1009万人。調査開始後で初めて1000万人を超え、過去10年で倍増したが「自己流の運動で身体を痛めるランナーが増えている」(ルネサンス)。各社は正しい走り方を身に付けたいというニーズは大きいとみている。


◆◆◆2013.6.14 日経MJ◆◆◆