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地球の水はどこからきた 【NEW】  2018.11.13

地球の水はどこからきた「複数の要因がもたらした」と米研究チーム


地球上の水はどこからやってきたのか、
という謎に米大学の研究者が提唱した

単一の起源ではなく、さまざまな起源を持つものが複合しているという説

大半は小惑星の衝突が起源だが、太陽系星雲ガスからももたらされたとした


地球の「水」はどこからやってきたのか?

地球には豊富な水が存在しており、もし水が地球上に存在していなかったら生命の存在もなかったと考えられています。当たり前のように存在している水ですが、「地球上の水はどこからやってきたのか?」という謎は多くの科学者たちの頭を悩ませてきた問題です。そんな地球の水の起源について、アリゾナ州立大学の研究者が「地球の水は単一の起源を持つものではなく、さまざまな起源を持つものが複合している」という説を提唱しました。

アリゾナ州立大学の研究チームは、地球上の水が小惑星の衝突によってもたらされた物質に由来するものと、太陽系形成後に太陽系を漂っていた太陽系星雲ガスの残留ガスに由来するものが存在するという説を発表しました。地球の水は単一の起源を持つものだけではなく、複数の要因によってもたらされたものだと研究チームは主張しています。

科学者の多くは地球上の水が惑星形成時から備わっていたものであるとは考えておらず、何らかの原因で地球外から地球へともたらされたと考えています。歴史的に見て最も簡単な説明は、「地球が形成された初期に小惑星の衝突によって水が地球にもたらされた」というもの。この説は、小惑星に存在する水素が地球の海水に含まれる水素と同じ比率の重水素を有していることから、根強く支持されています。また、小惑星の衝突時に大きな熱とエネルギーが発生しても、地球上には小惑星からの水が残ることが過去の研究者によって示されているとのこと。

しかし、地球上の水が小惑星によってもたらされたという仮説では説明のつかないこともあります。海水と地球の中心近くから集められた水素の試料を比較すると、必ずしもそれぞれの全水素中に占める重水素の比率が一致せず、地中の中心近くから採取された水素では、重水素の比率が海水よりも低くなっているそうです。この結果は、地球内部の水素が小惑星から来たものではないという考えを裏付けるものです。

アリゾナ州立大学の物理学教授であり今回の研究チームに参加しているSteven Desch氏は、「地球のマントルなどから採取される水素の重水素比率を考慮すると、地球は小惑星の衝突以外の方法で水を得る供給源を持っていたはずです。小惑星よりも重水素の比率が少ない水素を供給する可能性があるのは、太陽系星雲ガスです」と語っています。

太陽系は太陽系星雲ガスが次第に恒星や惑星などの形を取って形成されたと考えられており、以前は惑星形成後には太陽系星雲ガスが消えてしまうと思われていました。ところが、近年の研究から惑星形成後も周囲には太陽系星雲ガスが漂っていた可能性が高まり、惑星形成後に残っていた太陽系星雲ガスから、地球の内部に水素が取り込まれたという説を研究チームは検討し始めました。

研究チームは地球が形成された後に水を保持した小惑星の衝突が始まり、それと同時に太陽系星雲ガスからも水素が地球に取り込まれたと考えています。この説に立脚すると、地球の水の大半は小惑星が起源であるものの、0.1~0.2%ほどは太陽系星雲ガスからもたらされた水素によって形成されているとのこと。今のところこの説はあくまでもモデルによって検証された段階に過ぎないため、説を実証するにはさらに多くのマントルのサンプルを採取して分析するなどの必要があります。

今回の説は水が豊富な小惑星から遠く離れた場所にある惑星でも、星雲ガスによって水がもたらされている可能性を示唆するものです。Desch氏は「地球ほどではないにしても、多くの惑星上にわずかでも水が存在している可能性があります」と述べました。また、惑星が形成されてすぐに星雲ガスから水が供給された場合、従来の説よりもさらに速いスピードで居住可能な惑星が形成される可能性もあるとのこと。

アリゾナ州ツーソンの惑星研究所の研究者であるDavid P. O’Brien氏は今回の研究結果を受けて、「従来の研究の多くはいくつかの水の起源を個別のものとして検討していましたが、今回の研究はいくつかの要因が重なり合ったという説を検討している点に意義があります。さらに、地球上の水素と重水素の比率に関する事実は、今回のモデルを裏付けるものです」と語りました。


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