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動き促す水中リハビリ 盛岡のふれあいランド岩手  2011.02.03

動き促す水中リハビリ

 脳血管障害などで体が不自由な人向けに、盛岡市三本木柳のふれあいランド岩手のプールで行う「リハピリ&水中歩行教室」が成果を上げている。水中は、陸上よりも体への負荷が小さく、水の浮力もあるため、比較的痛みを感じずに体を動かすことができリハビリに適している。教室に通う人の中には、本来持っている体の機能を順調に取り戻しつつある人も少なくない。

浮力が働き負荷軽減

1月末の土曜日。プールサイドに集合した受講者は指導員の支持で、まずは陸上で肩を回したり腰掛けて上半身をねじるなど、体の可動域を確認。その後水中に入ると、左右の足に体重を移動したり、浮き棒でつかまってスクワットしたりと、ゆっくりとした動作を繰り返した。ふれあいランド岩手スポーツ指導グループの主任スポーツ指導員薄衣和香さんは「地面も付いている足がきちんと支えていないと、もう一方の足は上がらない。水中では浮力が体を支えてくれるので、その動きがしやすくなるんです」と説明。「脳血管障害などでまひが残ると体の動きが限られ、本来できる動きを忘れてしまう。病院でのリハビリなどに加え、体への負荷が小さい水中で体の機能を再学習してもらい、段階を踏んで陸上でもできるようになることを目指している」と語る。

プールでの「教室」好評

2005年に脳血管障害で倒れた盛岡市東仙北の男性(61)は、病院でのリハビリと自身で行う歩行訓練に加え、06年から水中歩行教室に通う。プログラムは毎週変わる。ある日は水中に踏み台を沈めて昇降運動をしたり、別の日はまびがある方の手でボールをつかんで籠に入れたり。教室の後で体の側面が痛くなったりすると、「普段使っていない筋肉があるんだなあと感じるよ」。今では、まひした方の手でペットボトルを持ち、水を飲めるまでになった。

岩手日報 2月2日

「毎日こつこつやること。そうすれば、ある日突然できるようになることがある」と実感する。現在、水中歩行教室には脳血管障害のほか、人工関節、パーキンソン病関連疾患、脳挫傷などの人も通う。また、ふれあいランド岩手では、リハビリのほかにも、筋力アップを目指す転倒予防教室や、健康に不安を抱えている人向けの水中セラビー教室などの事業を実施。指導員の薄衣さんも、健康運動指導士、米国アクアセラピーリハビリ研究所認定アクアテック指導者、世界アクアボディーワーク協会認定指導者などさまざまな資格を持つ。指導に当っては、その知識を少しずつ混ぜ合わせて効果的に方法を考えながら実施している。薄衣さんは「生活の質を高め健康維持などのためにも、施設を活用してもらえれば」と話している。

ふれあいランド岩手スポーツ受付は、電話019-637-4469

 

ふれあいランド岩手ホームページはこちらへ:http://www.iwate21.net/furelan/

■薄衣和香さん(ADI&AEA/ATRI/WATSU/HYDRO/AiChi認定者)は8月6~8日に開催される「2011~12年度(第5回)アクアセラピーシンポジウム」の講師の一人です。
詳しいことはこちらへ:https://www.aqua-adi.co.jp/national/5488.html