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水は阿修羅のごとし 水のチカラを活かそう  2011.06.07

3.11東日本大震災。地震・津波・原発。”想定外”の被害規模です。被災地(岩手・宮城・福島)には約80のスイミングスクール&フィットネスクラブのプールがあり、あの日から約30ヶ所が営業再開のメドが立っていません。再起を断念した施設もあると聞きました。

TVであの”津波映像”を観るたびに背筋が凍るおもいがします。一時は「水」への恐怖心からかプールへ通うメンバーが減少。最近は徐々に戻りつつあるようですが…。被災者の中にはトラウマになり、水や海を観ると気分が悪くなる方もいるに違いありません。あの日の凄い「水」の形相を目の当たりにしたヒトもその翌日から「水」を呑まねばなりません。ヒトは水がなければ生きることはできない。皮肉な事ですが、これが「ヒトと水」との関係なのです。

水はどこから来たのか。謎の一つですが、宇宙からの隕石の中にあったのでは…と言うのが有力説です。とにかく地球上には約14億5000万キロ立方の水があるとされています。その約97%が海水。淡水(湖・川・地下水)はわずか約0.62%。私たちが飲める水はなんと約0.03%。大気中の水蒸気より少し多い程度です。人体の66%は水。その45%が細胞内にあります。体重の2%の水分が失われると脱水症状。4%失うと生命が危ぶない。

成人が日常生活するには1日2.3リットルの水分補給が必要だと言われています。500ミリリットルのペットボトル5本程度。日々欠かさず補給しなければなりません。水がなければ数日しか生きられないからです。ですから、ヒトはサルから進化したとされますが、どこかの段階でイルカに似た水棲哺乳類化した生き物なのかも知れません。水なしでは生きられないのですからネ。

水は不思議な物質です。「水の三相」と言われるように固体・液体・気体と3つの姿に変わる唯一の物質。水が姿を変える時、必ず「熱」を使います。つまり、蒸発・凝結・凝固・融解・昇華と熱を出したり奪ったりしながら姿を変えます。水中でのヒトのエクササイズも水による熱の出し入れが運動効果の決め手です。水がヒトの4つの組織(上皮・結合・筋・神経)に適度の刺激を与えるからです。

「水」の三つの形相は三面六肘の「阿修羅像」にどこか似ています。奈良・興福寺にある国宝。世界文化遺産の仏像です。善と悪、生命と非天。二つの対比した性質を併せ持った神。釈迦を守護する戦闘の神とのこと。魅力的な立像です。正面は穏やかな顔をしているが横面は苦しみと悲しみの顔。見方によって異なる形相です。”修羅場”とはよく言ったものです。被災地は今も修羅場ですが、水と戦うのではなく、水を活かす。それが復興につながる。阿修羅のごとく生きましょう。

AD研 今野純


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