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リハビリ患者を運動指導。医療保険切れが対象者。[新聞記事]  2011.07.20

フィットネスクラブ最大手のコナミスポーツ&ライフは9月から、リハビリ患者を対象に運動を指導するサービスを始める。大阪大学付属病院(大阪府吹田市)など3府県の病院など5カ所の医療機関と連携し、医療保険の対象外となった患者に理学療法士が作成した運動メニューをもとに、ストレッチなどを個別で指導する。来年以降は全国での展開も視野に入れ、新たな事業モデルとしての育成を目指す。

今回の「維持リハビリサービス」は、病院など医療機関でのリハビリ期間が180日を超え医療保険が使えなくなった患者が対象。大阪、京都、愛知の3府県で、阪大病院や洛和会丸太町病院(京都市)、愛知県医師会(名古屋市)など5施設・機関から紹介された患者、合わせて約90人を受け入れる。

受け入れ対象となる患者は病院で検診を受け、運動実施の可否を医師が判断する。患者がこなすリハビリ指導のメニューは理学療法士が個別に作成する。個別の運動メニューをもとにして、病院の近隣にあるコナミスポーツのフィットネスクラブで運動を指導する。

運動はストレッチなどをマンツーマンで40分間指導する。運動指導の料金は1回4500円。運動の履歴はデータベース化し、連携先の病院の医師や理学療法士がリハビリの進行状況を確認できるようにする。歩行が可能であることや認知症がないことなど、事前にサービスを受けられる条件を細かく設定し、運動指導での事故を防ぐ。

脳卒中や心疾患、肥満などの患者の社会復帰には、継続的なリハビリが必要とされる。しかし、2006年4月の診療報酬改定で、医療保険の対象となるリハビリ治療は最長180日の制限が設けられた。このため、病院など医療機関はリハビリ治療が継続できなくなる「リハビリ難民」の受け入れ先確保に苦慮しているという。

フィットネス業界は会員の獲得が伸び悩んでおり、コナミでは新たな需要としてリハビリ患者の受け入れを決めた。セントラルスポーツやルネサンスなどは運動指導員を地方自治体の運動教室に派遣する介護予防事業を強化。生き残りをかけた競争が激しくなるなかで、各社は高齢者向けサービスなどを新たな成長源に育てたい考えだ。


◆◆◆2011.7.14 日経産業◆◆◆